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改正建設業法の労務費基準、うちの会社は対応できてますか?

結論:労務費の基準が明確化されました

改正建設業法では、労務費の基準が新たに設定されています。
これまで曖昧だった労務費の取り扱いが、法律上明確化されたんですね。
国土交通省関東地方整備局の公式サイト(https://www.ktr.mlit.go.jp/kensan/)で詳細が公開されていますので、まずはそちらを確認してみてください。

この改正は全国の建設業者が対象です。
元請・下請を問わず、すべての建設業許可業者に関係する内容なので、「うちは小さいから関係ない」とは言えません。
むしろ、小規模事業者ほど見積や契約での対応が求められるケースが多いんです。

労務費基準が設けられた背景

なぜ今、労務費の基準が法律で定められたのか。
これは建設業の働き方改革と深く関係しています。
2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用されましたよね。
それに伴い、適正な労務費の確保が不可欠になったわけです。

現場でよく聞くのが、「工期が厳しいから人件費を削るしかない」という声です。
でも、それでは技能者の賃金が上がらず、若手も入ってこない。
結果、業界全体が先細りしてしまいます。
そこで国が法律で労務費の基準を示し、適正な価格転嫁を促そうとしているんです。

具体的に何が変わったのか

改正建設業法では、元請業者が下請契約を結ぶ際、労務費相当分を適切に確保することが求められます。
ただし「いくら以上」という金額の指定ではなく、あくまで「適正な額」という表現なんですね。

つまり、下請負人と契約する際は、市場の労務単価や地域の実情を踏まえた見積を尊重する必要があります。
「とりあえず安く発注する」というやり方は、法律上問題になる可能性が出てきました。
特に、一式請負で丸投げしている場合、労務費が不透明になりやすいので注意が必要です。

見積書への影響

下請として見積書を作る側も、労務費を明示することが重要になります。
「材工一式」で出すのではなく、労務費・材料費・経費を分けて記載する。
そうすることで、元請にも適正な価格であることを示せますし、後々のトラブルも防げます。

実際、ある電気工事会社では、見積書のフォーマットを変更して労務費欄を設けたところ、元請との交渉がスムーズになったという話を聞きました。
数字で示せば、相手も納得しやすいんですよね。

対応が必要な業者とは

この改正で対応が必要なのは、元請として下請契約を結ぶすべての建設業許可業者です。
許可業種は問いません。
土木一式、建築一式はもちろん、専門工事業でも、自社が元請となって他社に発注していれば対象になります。

また、下請業者の側も無関係ではありません。
労務費を適正に見積もり、それを元請に示す責任があります。
「元請が値切るから仕方ない」では済まされなくなってきているんです。

今すぐできる対応策

では、具体的にどう対応すればいいのか。
まず元請業者としては、下請との契約内容を見直しましょう。
労務費がきちんと確保されているか、見積書の内訳を確認するクセをつけてください。

下請業者は、見積書の精度を上げることが大切です。
労務単価は公共工事設計労務単価を参考にするのも一つの方法です。
国土交通省が毎年公表していますので、それをベースに自社の実情に合わせて調整すればいいでしょう。

契約書のチェックポイント

契約書には、労務費に関する取り決めを明記することをおすすめします。
「労務費は○○円/日を基準とする」といった具合です。
曖昧なままだと、後で「言った・言わない」になりかねません。

また、工期の変更があった場合の労務費の扱いも決めておくと安心です。
工期が延びれば当然、人件費も増えます。
その分をどう負担するのか、事前に合意しておけばトラブルを避けられますよね。

違反するとどうなるか

では、この基準を守らなかったらどうなるのか。
建設業法違反として、監督処分の対象になる可能性があります。
具体的には、営業停止や許可の取消しといった重い処分もあり得るんです。

実際に処分を受けた例はまだ多くありませんが、今後は厳格化される流れです。
特に、経審を受けている会社は要注意。
処分を受ければ経審の点数にも影響しますし、公共工事の入札資格にも響きます。

よくある質問

Q1: 労務費の「適正な額」とは具体的にいくらですか?

A: 法律では具体的な金額は定められていません。
地域や職種、技能レベルによって異なるため、公共工事設計労務単価や地域の実勢価格を参考にしてください。
例えば、東京都内の型枠工であれば、令和6年度の設計労務単価は日額27,000円前後です。
これを一つの目安として、自社の実情に応じて設定するのが現実的でしょう。

Q2: 一人親方への発注も対象になりますか?

A: はい、対象になります。
一人親方であっても、外注として発注する以上、適正な労務費を確保する必要があります。
「知り合いだから安くしてもらう」というのは、法律上問題になる可能性があるので注意してください。

Q3: 見積書の様式は決まっていますか?

A: 法律で様式は指定されていません。
ただし、労務費・材料費・経費を分けて記載することが推奨されます。
「材工一式」だけでは、労務費が適正かどうか判断できませんからね。

Q4: 既存の契約も見直す必要がありますか?

A: 法律の施行日以降に締結する契約が対象です。
ただし、既存の契約でも、更新や変更のタイミングで見直すことをおすすめします。
特に長期の工事では、途中で法改正があった場合、契約内容を調整しないとトラブルになることがあります。

Q5: 下請から「労務費を上げてほしい」と言われたらどう対応すればいいですか?

A: まず、その要求が妥当かどうかを確認しましょう。
設計労務単価や市場価格と照らし合わせて、明らかに高すぎる場合は交渉の余地があります。
ただし、適正な範囲であれば、応じるのが法律の趣旨に沿った対応です。
元請としては、発注者(施主)に対して価格転嫁を求めることも検討してください。

まとめ:適正な労務費確保が業界の未来を守る

改正建設業法の労務費基準は、一見すると事務的な手続きが増えるだけに思えるかもしれません。
でも、長い目で見れば、業界全体の健全化につながる重要な改正なんです。

適正な労務費を確保することで、技能者の賃金が上がり、若手も入ってきやすくなります。
それが会社の成長、ひいては業界の発展につながるわけですね。
目先のコストだけでなく、将来への投資として捉えてみてください。

詳しい情報は国土交通省関東地方整備局の建設産業ページ(https://www.ktr.mlit.go.jp/kensan/)で随時更新されています。
気になる点があれば、そちらも確認してみてくださいね。

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労務費基準への対応や契約書の見直しなど、法改正に伴う実務は複雑です。
専門家のサポートが必要な場合は、建設業許可に詳しい行政書士への相談も検討してみてください。

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※ 行政書士は法律に基づく許認可申請の専門家です。
信頼できる専門家を選びましょう。

この記事は情報提供を目的としており、手続きの代行や法的助言を行うものではありません。
最新の情報は各行政機関の公式サイトでご確認ください。

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